最近はコロナ禍ということもあり、少し落ち着きを見せていますが、毎年日本で大きな盛り上がりを見せているハロウィン。
ここ10年くらいで急激に市民権を得たように感じますが、バレンタインデーやクリスマスのように宗教的ではなく「商業的な盛り上がり」という点で、いかにも日本らしいイベントになりました。
もちろん賛否両論ありますが、よくよく考えてみると、日本でも古代から行われていた民間信仰の祭りと関わりがありそうな気がします。
そのあたりを含めて、ハロウィンがいつから始まったのか。
また、なぜこんなにも盛り上がるのかを考察してみました。
ハロウィンはいつから始まったのか
ハロウィンは「諸聖人の祝日の前夜」という意味の「All Hellowʼs Even」が語源で、短縮されて「Halloween」になりました。
ヨーロッパの古代ケルト人の秋の収穫祭に起源があると言われています。
その後、米国で仮装した子どもたちが家々を回ってお菓子をもらう、という習慣が定着しました。
日本では、1970年代に「キディランド原宿店」がハロウィン商品の店舗販売を開始。
ファミコンの発売が開始され、東京ディズニーランドが開園した1983(昭和58)年に、キディランド原宿店によって日本初のハロウィンパレードが開催されました。
その後もあちこちで毎年ハロウィン行事が行われるようになり、転機が訪れたのが1997(平成9)年。
この年、東京ディズニーランドでハロウィンイベントが初めて開催されました。
当初1日だけだったパレードは、現在では2か月近い盛大な催しになっています。
このように、ハロウィンが日本に定着しだした理由としては、キャラクターものの人気と、そのハロウィンイベントが大きかったと思われます。
ハロウィンはいつからこんなに盛り上がるようになったのか
一方、同じ年に川崎市で、株式会社チッタエンタテイメントが、街をステージとした新しいイベントとしてハロウィンパレードを企画。
川崎市やショッピングセンター、商店街などが一体となって、第1回の「カワサキハロウィン」が開催されました。
この年の仮装パレード参加者は約300人。第2回以降は年々増加し、参加者が2,500人を超えた辺りから事前参加申込みを必要とする定員制に。
第1回に1万人だった観客数も12万人まで膨れ上がり、日本最大級のハロウィンパレードになりました。
渋谷をはじめ、ほかの地域のパレードも年々盛況になりましたが、その背景には、個人が情報発信をする機会を増やしたSNSの広がりが大きかったと考えられます。
また、一部の人の楽しみだったコスプレがアパレル業界の牽引もあって一般化したなど、日本のポップカルチャーの浸透も要因にあると言われています。
もう一つ、古来から秋の収穫を祝う秋祭りは日本人の文化として根付いていますし、大勢が集まって楽しむ祭りはもともと日本人の大好物。
神様にこだわらず何でも受け入れられる日本らしく、すんなりと受け入れることができたのかもしれません。
そんな日本人にも定着してきたハロウィンですが、今年の8月に「カワサキハロウィン終了のお知らせ」が発表されました。
ハロウィンの盛り上がりを牽引してきたイベントが終わることは、大きな衝撃です。
渋谷や新宿など、都心部ではハロウィンの日に大勢で集まって騒いだり、ゴミを捨てていったりということが報道され、ハロウィンのネガティブな印象も増えてきました。
とは言え、商業的に盛り上がりを見せ、販促施策を打っている小売店も多いでしょうから、ハロウィンがすぐに衰退していくとも考えにくいです。
日本のハロウィンを盛り上げたイベントが終わり、コロナ禍と重なった2021年はハロウィンの転換期なのかもしれません。
最近は「地味ハロウィン」という、派手なコスプレとは逆方向の表現をするイベントも開催されています。
今後、ハロウィンがどう変化していくのか、楽しみにしたいと思います。
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