今月から「ガス自由化」が始まりました。
といっても何がどう変わるのか、1年前に経験した「電力自由化」の際と同様に、わかりにくくて頭の中は疑問符だらけなのですが、少しでも理解できるように、いろいろ調べてみました。
そもそも「ガス自由化」って何?
家庭向けのガスには、導管を通じて家庭まで届ける「都市ガス」、70戸以上の団地などで、敷地内にガス発生設備から各家庭に供給する「簡易ガス」、ガスの入ったボンベを家に配達する「LPガス(プロパンガス)」などの種類があります。このうち「ガス自由化」は「都市ガス」が対象です。
「都市ガス」は地域独占になっていて、これまでは東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスの大手4社をはじめとした都市ガス会社が、ガス管の運営・管理から販売まで独占していました。しかし、今後はガス管の管理・運営は引き続き都市ガス会社が行うものの、各家庭への販売については、新たな会社も自由に参入できるようになりました。
「ガス自由化」に踏み切った目的は?
日本のガス料金は、海外の主要国と比べて高いと言われています。この海外との価格差を小さくするというのが、ガス自由化の第一の目的です。
また、参入企業が増えることで、価格やサービスの面で競争が起こり、多様なサービス・プランも登場しています。さらには、「ガス自由化」と合わせて導管網の整備も進められていくので、災害時も含めた安定供給の体制を強化する狙いがあると言われています。つまり、私たちにとっては自由にガス会社を選ぶことが可能になったことで、それなりのメリットがあるということになります。
デメリットはないの?
料金が下がると言っても、日本の場合、ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)を外国から買っているため、何らかの事情で価格がアップすれば、都市ガス料金も高くなることがあります。また、東京や大阪を始め主要エリアでは、選択できるガス会社がたくさんあるのに、地方に行くと選べないという事態になることも予想されます。何らかの理由でガス供給ができなくなるなど、安定供給への不安もよぎります。
料金体系とかが複雑なのでは?
参入してきている多くの会社は、既存の会社と提携して新しい料金体系で市場に臨んでいます。したがって「セット割プラン」などの設定が多いため、消費者としては、何をどう選んでよいのか迷ってしまいます。特にガス料金+電気料金+携帯電話料金といった料金プランが組み込まれるなど、かなり複雑になるため、消費者の私たちは新料金プランを選ぶ際に、混乱を起こさないよう注意する必要があります。
まとめ
1年前の「電気自由化」の際も細かくシミュレーションしたという方は、今回もさらにお得なプランをゲットできるのではないかと思いますが、面倒くさくてそのままだったという方は、今回は電気と合わせて、できるだけ細かくチェックされることをおすすめします。もちろん、料金などのメリットばかりに目を向けるだけではなく、デメリットにもしっかり目を向けて、正しい選択に努めましょう。