平成の時代が30年の幕を閉じ、5月1日、新元号「令和」がスタートしました。どこかのネット記事に、改元で最も影響がある業界として印刷業界が挙げられていました。平成で印刷されていた印刷物のすべてが令和に切り替わるから、というのがその理由のようですが、残念なことに当社では、改元による印刷物の増刷が増えたという話はあまり聞いていません。
社名「令和」100社超え
そんななかで、改元による社名変更増加のニュース。5月9日時点の調査会社「東京商工リサーチ」のまとめによると、社名に「令和」を含む企業が100社を超えたという見出し。元号が「令和」と発表されて以降、社名に漢字「令和」を含む企業はこの時点で全国35都道府県に、109社が誕生したことがわかったと。4月1日の公表時はゼロでしたが、1か月超でこの数字。さらに今後も増える可能性がありそうです。
産業別のトップはサービス業他の52社で約5割。その内訳は、経営コンサルタント業が9社で最多。他に訪問介護事業や有料老人ホームなど福祉・介護関連事業が多かったそうです。
次いで不動産業と建設業がそれぞれ15社と続き、以下、製造業の10社、情報通信業の8社の順だったと報じています。
令和印刷に社名変更をした会社があるかどうかの情報は今のところ入っていません。何となく「麗和印刷」ならありそうな気がしたので調べてみたら意外なことがわかりました。
明治時代の埼玉県の県庁所在地の浦和で、「浦」の字を「麗らか」の「麗」に置き換えて「麗和(うらわ)」と読んでいたが、いつの間にか「麗和(れいわ)」と読むようになった。で、「麗和」を冠する幼稚園や団体、企業などが存在するとか。県立浦和高校の同窓会名が「麗和」で、今回の改元で取材が相次いでいるようです。
元号を盛り込んだ社名を持つ企業数(東京商工リサーチ調査)は、明治ホールディングス(旧明治製菓、明治乳業)を始めとする「明治」が764社、大正製薬ホールディングス(大正製薬)を始めとする「大正」が435社、昭和電工を始めとする「昭和」が最も多く2,640社、「平成」が1,270社。「令和」は今後も増えていくと見られています。
ちなみに「reiwa」の各ドメインは4月1日の時点で早い者勝ちといった状況だったようですが、「冷和」「レイワ」が社名の会社や、海外の不動産会社がすでに「reiwa」のドメインを取得していたこともわかりました。
令和大学はできるのか?!
日本ではこれまで、元号から命名された大学が生まれてきました。慶応義塾大学、明治大学、明治学院大学、明治薬科大学、大正大学、昭和大学、昭和女子大学、帝京平成大学、平成国際大学、福山平成大学など。となると「令和」を狙っている教育機関もあるような気がします。
元号のついた大学を他に探してみたら、これは偶然でしょうが、江戸時代の元号「明和」と同じ明和学園大学がありました。三浦しをん氏の小説で箱根駅伝を舞台にした「風が強く吹いている」には、やはり江戸時代の「寛政」を名乗る架空の大学「寛政大学」が登場しています。
元号は社名には自由に使用できますが、新元号を「商標登録」することは、原則的に特許庁が認めていないためにできません。一方、改元によって過去の元号となった「平成」は、商品やサービスの名称として登録が可能になりました。こちらは早い者勝ちかもしれませんね。