トヨタが発売した「JPN TAXI」から見る ユニバーサルデザインの現在地とは?

コラム

自動車メーカーのトヨタより日本のおもてなしの心を反映したという新型車「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」が発売されました。
日本のタクシーとトヨタとのつながりは1936(昭和11)年に「トヨダAA型タクシー」として使用されたことが始まりといいますから、80年以上の歴史があるそうです。
今回販売された車は、ジャパンブルーと称される日本の伝統色「深藍(こいあい)」のボディをはじめ、乗ってみたくなるデザイン性や経済性、安全性も注目されていますが、ここでは「ユニバーサルデザイン」仕様について検証してみました。

UDタクシーとしての「JPN TAXI」とは

国土交通省が定める「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」の認定要件というものがありまして、この「JPN TAXI」はその要件に適合しています。
そもそもUDタクシーとは、健康な方はもちろん、足腰の弱い高齢の方、車いすを利用する方、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方など、誰もが利用しやすい「みんなにやさしい新しいタクシー車両」であり、誰もが普通に使える一般のタクシーのこと。
では、どこがユニバーサルデザインなのか、一番の特徴は、車いすのまま乗車が可能な仕様。一般の利用者と同じ位置から乗り降りでき、タクシー乗り場や歩道からも乗ることができることが条件のようです。車いす用のスロープとして、国土交通省のUD認定基準である傾斜角14度以下、乗降幅700㎜以上などをクリアしたスロープが搭載されています。
また、お客さまが乗り降りしやすい「低床フラットフロア」、左側のドアは「リヤ電動スライドドア」を採用。アシストグリップから全体の構造に至るまで工夫と改良を重ね、さまざまな人にやさしい仕様が施されています。

では、UDタクシーを介護タクシーの代わりに利用できるのでは、ということになると現時点では乗り降りに要する時間や車いすのサイズ、乗務員の資格などの問題もあり、分けて考える必要があるように思えます。ただし、すべての人にやさしい次世代のUDタクシーが、今後普及していくことは間違いないようです。

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