動画は、クオリティの違いはあっても、誰でもが撮影・編集でき、配信できる時代。ご存知のようにYoutubeには、玉石混淆のさまざまな動画が溢れています。
数多ある動画コンテンツの中に埋もれない「感動する」「希望を感じる」「共感する」など心を動かす動画を作る上で大切なことは何でしょうか。
それは「ストーリー構成」です。
起承転結で視聴者を裏切れ
「安い!」「豪華!」「便利!」などのファクターをそのままズバリ直球でアピールするのもひとつの方法ですが、起承転結などのストーリーで視聴者をドキドキさせたり驚かせたりしながら動画に引き込むことが大切です。
まずはこちらのブランディング動画をご覧ください。
▼ sofy presents 「すべての就活女子へ」(ユニ・チャーム)
就職活動は多くの人が経験した、あるいは経験するであろう苦しい道だからこそ、多くの視聴者が共感します。さらにより強い共感を得るための工夫のひとつが「起承転結のストーリー」です。
特に重要なポイントは「転」。1分40秒付近の大きな仕掛けで、驚いたり肌が立ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
商品紹介動画に起承転結を当てはめると、次のようになります。
起:物語の設定を説明(主人公登場)
承:その設定から続く日常(主人公が何かに困っている:Before)
転:視聴者を驚かせる大胆な仕掛け(そこに新商品登場!)
結:おだやかな着地点(新商品によって問題が解決して喜ぶ主人公:After)
水戸黄門が印籠を掲げて見せたり、ドラえもんがポケットから秘密道具を出したり、崖の上で暴れる殺人犯のもとに刑事が駆けつけるなど、「転」は、不幸な物語が大きく好転するタイミング。視聴者の予想を程よく裏切って驚かすという非常に重要な役割を担っているのです。
インサイトを探って未来を見せろ
もうひとつ、新商品紹介動画で忘れがちなストーリー構成があります。こちらのオートバイCMをご覧ください。
▼ LMW 雨上がりのタンデム篇(ヤマハ発動機)
広告主が訴求したいポイントは、LMWテクノロジーという新しい技術。しかし新技術の紹介だけではなく、ナレーションはこのように続きます。
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雨上がりの道も、快適に乗れる。
(母「遠回りしちゃう?」娘「うん!」)
ということは、虹に出会う幸運が増えるかもしれません。
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(ヤマハ発動機テレビCM「LMW 雨上がりのタンデム」篇より引用)
このCMは新技術による消費者の直接的メリットだけでは終わらず、虹を見つけたり、親子が親密にコミュニケーションをとっている様子が描かれています。このように、「この商品を購入することによって訪れるかもしれない輝かしい未来」を提示し、「私も主人公のようになりたい」と消費者の心を動かしているのです。
栄養ドリンクを飲んだサッカー選手が華麗なゴールを決めて女性にモテたり、家を新築したら妻が美味しそうな手料理を作ってくれたりなど、「インサイト」(=消費者が商品購入のあとに望んでいる輝かしい未来)を探って動画構成を作ることは、人の心を動かす上で非常に大切なことなのです。
今回は、心を動かす動画にするためのストーリー構成として「起承転結」と「インサイトを探る」をご紹介しました。
当社には、テレビ番組やラジオ番組の構成作家経験のあるスタッフが在籍。人の心を動かすためのさまざまな仕掛けを研究しながら動画制作を行っています。