「販促企画のツボ」の連載、第十八回目です。
前回は2019年9月の「販促企画のツボ」を解説しました。2019年9月は東京オリンピックの機運が一気に高まる下半期のスタートです。ラグビーのワールドカップ日本大会や5G(第5世代移動通信システム)のプレサービスも注目です。また、10月1日より改訂される消費税の増税前「駆け込み需要」の対策も必要ですね。
それでは今回のテーマ「2019年10月の販促企画のツボ」に入ります。
前回の消費税の増税後の景気はどうなったのか?
前回の販促企画のツボでは10月1日に改訂が予定されている増税前の「駆け込み需要」について解説をしました。増税前の需要増は予測されるとして、増税後は景気が落ち込むのだろうか、と気になるところです。その判断をするためには、消費税が3%から5%に増税された1997年、5%から8%に増税された2014年を振り返るのが良さそうです。
内閣府『経済財政白書』2015年版によると、1997年と2014年の消費税増税を比較すると、「3%から5%」に比べ「5%から8%」と増税率が大きかった2014年の方が駆け込み需要の反動も大きかったということです。今回の増税は「8%から10%」ということで1997年の増税率と同じ、かつ景気対策として政府も消費税増税の負担軽減策を打ち出していますから、駆け込み需要の反動も小さくなるでしょうか。
特に経済産業省が主導する「キャッシュレス・消費者還元事業」では、中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店の決済がキャッシュレスでおこなわれた場合、中小・小規模事業者に課す加盟店手数料を3.25%以下にする必要があり、国がその3分の1を補助することになります。中小・小規模事業者にとってはむしろ追い風になりそうです。
10月のイベントといえば今年も「ハロウィン」
消費税の増税が10月1日ならば、10月の最終日に控えているのが定番のイベントになりつつある「ハロウィン」です。実店舗では8月頭からハロウィンコーナーを設置するところもあるほど。市場規模は2017年の約1,345億円をピークに2018年は約1,240億円と若干の右肩下がり傾向にありますが、前後に大きなイベントがあるわけでもないですから、ほぼほぼ2018年程度の需要が見込めるのではないでしょうか。
ある程度イベントが定番化してくると求められるキーワードは「差別性」と「ひとつ上の世代」ではないでしょうか。
仮装やコスプレをして街に集まる、ホームパーティをおこなうといったこれまでのハロウィンとは異なる提案は何になるのか。個性的な手作りの衣装セットを提案したり、市販のお菓子ではないオリジナルのお菓子の作り方などがうけるかもしれません。ぜひ新しい発想とアイデアをブレストしてみてください。
もうひとつのキーワード、「ひとつ上の世代」についてですが、日本でハロウィンが流行し始めたのは2011年と言われています。この頃にイベントを盛り上げた世代は2019年には「ひとつ上の世代」になります。若者が楽しむ現在のスタイルではなく、「大人のハロウィン」を求めているかもしれません。ちょうど「夏フェス」が世代とともにコンテンツを変化させているのと同じように、世代に合わせた「ハロウィンの楽しみ方」がツボかもしれません。