自動組版はどんな場面で使うの?
今回は、自動組版がどのような場面で使われるかのご紹介をしていきたいと思います。自動組版については、当サイトのサービスカテゴリにて「面倒な校正業務を効率化! 自動組版(Automatic typography)サービス」にてご案内させていただいておりますので、ぜひご覧ください。
自動組版をご活用頂く場合は「デザイン・レイアウトにおいて規則性、一貫性のある印刷物の編集を自動処理で配置できるようにテンプレートを設計し、それに見合った入稿フォーマットを作成して原稿を入力していただく」といった流れを想像されるかと思います。
そうなると、「規則性」「一貫性」は無いし、自動組版できそうな案件とは関係ないなぁと思われるかもしれませんが、それだけに限らないところがありまして、自動組版で利用している技術であったりノウハウであったりを「部分的に活用」することも可能なのです!!
自動組版の技術・ノウハウを身近な仕事に活用できます
たとえば、会員情報や配送先情報などで使用している住所データをどのように管理されていますか?恐らくExcelなどで管理することが多いと思うのですが、では、Excelでどのような項目分けをして管理していますか?
住所データから配送用に宛名ラベルを作成したり、販促用のDMにバリアブル印字で利用したりなどいろいろな用途でご利用することがあると思いますが、住所データを利用するときに「印字したい場所に収まりきらない(溢れてしまう)」、「住所の番地の途中で改行されてしまう」、「宛名の氏名の文字が化けてしまった(外字を使用していたため)」といったトラブルに見舞われたことはありませんか。
そのようなトラブルが起きないように、住所データの項目分けや、外字の有無を明確にするといったことを考慮してデータ管理をしておくと、トラブル回避だけでなく、データを活用しやすくなったりもします。
当社制作ではこちらのような送付先リストの標準Excelをご用意させていただいております。
全てがこのExcelに当てはまるわけではありませんが、お手元のデータと比べてみて、参考にしていただけると幸いです。ちなみにこのExcelにて住所データをご入稿頂けますと、制作現場でのデータチェックにて不具合を見つけてお客様へ問合せを行うといった手間のかかるやり取りを削減することができます。
また、手元のリストをメンテナンスする余裕が無い!!といったお客様には、リストを使用したお仕事をご依頼の際に「リストのメンテナンス」もご依頼いただくことも可能ですので、ご一考ください。
このように自動組版の技術・ノウハウは印刷会社側だけのものではなく、お客様側で活用いただけることで、より効果を発揮するものも多々あります。次の事例紹介では入稿フォームをExcelで作成して、多数の執筆者から原稿を集めるといった事例も紹介しておりますので、そちらもご覧ください。
自動組版事例
「入稿フォーム作成」、「自動組版」、「リモート校正」
当社が得意とするデータベースを活用した「自動組版」と「リモート校正」を活用した事例です。
『講座案内冊子』
「入稿フォーム作成」×「自動組版」
講座案内冊子作成のため、各担当講師の先生方に執筆依頼をして原稿を集めるのですが、記事の内容を入れていただく入力用フォーム(Excel)の作成段階から一緒にお手伝いさせていただきました。講座案内には、内容と魅力を伝えるPR文が入るのですが、授業回数の多さによって文章を入れられる紙面スペースが変わってきます。ここに着目して、入力文字数の目安が変化するよう入力フォームの表示設計をしました。
※上記入力用フォームは実際の案件のものとは異なります。この記事のために作成したものです。
集まったExcelファイルをデータベース化して、1ページに1講座レイアウトされるようにテンプレートを設計しました。データベースから自動的にレイアウトされるので、人為的なミスからくる間違いチェックの作業が必要なくなり、大量ページの校正作業という大変な負荷を無くすことが出来ました。
当社WEB校正サービス
「自動組版」×「リモート校正」
校正と修正指示については、「リモート校正」をご提案させていただきました。当社のWeb校正サービス「スマプル」を使った校正は、インターネット環境さえあれば、セキュリティを確保しながらオフィスに限らずどこでも内容を確認することができます。
今までの校正の流れと、スマプル導入後の流れは以下の通りです。
今までは、執筆者との校正担当者、当社との窓口担当者のそれぞれが、一人が複数の校正の出し戻しの手配対応をされているという大変な負荷がありました。
しかし、当社「スマプル」をお使いいただくことで、手配・連絡等がメールにて関係者へ一斉配信されることにより、窓口担当者ならびに校正担当者の負荷が大幅に改善されました。(執筆者がある程度の人数に絞られている場合であれば、執筆者も「スマプル」での入稿・校正なども可能です)
※スマプルでの校正画面
おかげさまで、クライアント様からはご好評をいただき、継続してご発注いただいております。
一度仕組みを作ったら終わりではなく、案件が終了するたびにレビューをさせていただいております。レビューから仕組みの課題を見つけ、小さな部分であってもより円滑にやり取りができる、より正確に、より手間が省けるようにと改善を重ねております。
自動組版への当社の現在の取組み
事例でもご紹介させていただきましたように、お客様とのやり取りといった『上流工程』の改善、お客様には直接はお目に触れることはないかもしれませんが、プリント出力の効率化を図るといった『下流工程』の改善にも取り組んでおります。
上流工程の改善の取り組み
『上流の工程』の改善では手作業、デリバリーなどの負荷を軽減し、より効率よく入稿→校正→校了といった工程を進めていけるために日々研究を重ねております。
・原稿を集めるための入力フォームの作成
・集めた原稿ファイルのデータベース化
・組版後の校正のWeb化(当社Web校正サービス「スマプル」)
・デザインテンプレートを使ったWebでの制作・発注(当社販促支援サービス「ロジ工房」)
下流工程の改善の取り組み
『下流工程』の改善では、出力工程との連携の強化を図り、お客様からの入稿データをそのまま処理・出力することで、より効率良く納品できるのではないかと検証を進めております。
・宛名ラベル出力、ナンバリング出力の制作レスでの出力
・自動組版後の面付出力の自動化・効率化
・当社販促支援ロジスティクスサービス「ロジ工房」との連携
自動組版については、今後も当メディアサイト「ヒラメキ工房」や、メルマガ「ツナガル!マガジン」などで取り組み成果や顧客事例についてご紹介させていただきますので、その節はご覧いただければ幸いです。
今すぐ実現はできないかもしれませんが、お客様からのご要望は今後の研究・検証の励みとなりますので、お問い合わせフォーム、または当社担当営業までお気軽にご相談ください!