東京2020×SDGsがもたらす、サスティナブルな変化― GPN「持続可能な調達アクションプログラム」がサポートします

コラム

東京にオリンピックとパラリンピックが2020年やってくる!

最初に聞いたときには遠い未来のことのように感じましたが、開催まで早くも2年を切りました。 新国立競技場をはじめとする施設の建設が進んだり、アスリートたちの活躍や成長にメダルへの期待が膨らんだり、じわりじわりとその時が近づいてきています。
さて、東京2020大会は、一大スポーツイベントとしてだけでなく、社会的にも消費と生産の考え方の大きな転機となりそうです。また、決してテレビの中の出来事ではなく、私たち企業の取り組みにも、大きな、好ましい変化をもたらしそうです。
というのも、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、『持続可能性に配慮した調達コード』という基準の遵守を、調達先である私たち企業に対して求めているからです。この場合の調達先とは、組織委員会と直接契約した会社だけでなく、その先の仕入先や外注先も含みます。
この調達コードの中で組織委員会は、「大会開催のために必要な物品・サービスの調達にあたり、経済合理性のみならず持続可能性にも配慮した調達を行うことを通じて、その社会的責任を果たしていくべき」との考え方を示しています。つまり、「環境」「社会」および「経済」のすべての側面に配慮して買い物をしますよ、ということです。

2020年ははじまりに過ぎない?

また、こうした取り組みについて、「社会全般における消費・生産パターンの変革というレガシーにつながるものである」とも述べています。つまり、2020年がゴールなのではなく、むしろスタートにして、消費と生産のあり方を変えていきますよ、という、実に頼もしい意思の表明です。頼もしい分、調達先である私たち企業にも、持続的な変化が促されることとなります。

こうした考え方の根底には、ひとつには、2012年ロンドン、2016年リオと受け継がれてきた、近年のオリンピック・パラリンピックの調達の考え方があります。そしてもうひとつには、2015年に国連で採択された、『SDGs(持続可能な開発目標)』があります。

SDGsについては、9月19日付のコラム「SDGsって、何?― 世界と私たちを幸せにする共通言語」でも触れておりますので、ご覧になってください。SDGsには、2030年に向けて世界が取り組むべき17の目標と、その達成基準である169のターゲットが定められています。私たち一人ひとりが、この目標を共有する一員なのです。

わたしたちに求められることとは?

さて、話を『持続可能性に配慮した調達コード』に戻します。主旨はご理解いただけたと思いますが、求められている基準を少し見てみましょう。
すると、「3Rの推進」や「容器包装などの低減」、「差別・ハラスメントの禁止」「女性の権利尊重」など、社会的に認知の高まってきている項目も多数ありますが、一方で、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「腐敗の防止」「紛争や犯罪への関与のない原材料への使用」など、当然してはいけないことなのだけれど、日常的には触れる機会の少ないキーワードを含んだ項目も多数あります。
えっ?意外と細かい。持続可能って、そういうことも含むのか!うちの会社では話題にならない項目が多いけど、どうしたらいいのかな…などなど、初めて見ると心細くなるかもしれません。
ご安心ください。そんな心細い調達担当者をサポートしてくれるツールがあるのです。グリーン購入ネットワーク(GPN)が提供している『持続可能な調達アクションプログラム』です。

グリーン購入ネットワーク(GPN)は、「エコな買い物」であるグリーン購入を促進するために1996年に設立された組織で、企業、行政、民間団体などの全国約1,500もの会員で構成されています。当社も、10数年来の会員企業です。

『持続可能な調達アクションプログラム』は、そのグリーン購入ネットワークが今年2018年、新たに始めたプログラムです。およそ100の設問に回答していくチェックリスト方式の評価システムで、現時点の自社の取り組み度合を客観的に評価し、課題を明確にすることをサポートしてくれます。

各設問には、『持続可能性に配慮した調達コード』との関連はもちろん、SDGsの各目標との関連も明示されていますので、「オリンピック・パラリンピック関連の入札に参加したい」「世の中の調達基準の変化に対応したい」「SDGsに取り組みたいが、何から始めたらよいかわからない」など、さまざまなニーズに対応しています。

実際に回答してみると、「取り組んでいなくはないけれど、取り組んでいると自信を持っては言えない…」という曖昧な項目が多数出てきます。この曖昧さに気づき、解消していくことこそが、このツールを使う目的です。評価結果は事務局からフィードバックされますが、点数自体に一喜一憂する性質のものではなく、社会の要求と自社の取り組みとのギャップ(不足点)を把握し、社内で共有し、解決していくために活用されることが有効と思われます。

詳しい説明はセミナーにて

なお、『持続可能な調達アクションプログラム』について詳しい説明をお聞きになりたい方には、グリーン購入ネットワーク主催でセミナーの予定がありますので、ご紹介いたします。

「中小企業向けビジネスセミナー ―東京2020大会をチャンスにつなげる―」
https://gpn2030.wixsite.com/action-program/seminar

【神奈川会場】波止場会館
11月28日(水)14時~16時30分

【埼玉会場】武蔵浦和コミュニティセンター 第8,9会議室
11月29日(木)14時~16時30分

​グリーン購入ネットワーク事務局のほか、東京2020大会組織委員会の方などもご登壇されます。参加費は無料ですので、お気軽にお申込みください。

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