データ上ではとても鮮やかな色なのに、あがってきた印刷物を見たら色が薄くなっているように感じたり、色が暗く沈んだように見えたりしたことはありませんか?
印刷工場を見学したことのある方は、印刷に立ち会って見た「刷ったばかりの印刷物」と「実際の製品になった印刷物」を見て、「あれ?こんな色だっけ?」と思ったことはありませんか?
その原因は『ドライダウン』と呼ばれる現象かもしれません。
『ドライダウン』とは?
インキの成分が紙に浸透する事で、印刷面のインキが滑らかにならなくなり、インキの光沢や、反射した光の拡散が変化することで起こるとされている現象を『ドライダウン』と言います。
これは、紙の表面の微妙な凹凸にインキが浸透することでインキの厚みが減り、印刷の濃度が下がったように見えるために起こります。
『ドライダウン』の起こりやすい条件とは?
紙やインキによって違いはありますが、表面の凹凸が少なくつるっとしたコート紙に比べ、マットコート紙や上質紙の方がインキの乾きによって起こる色の変化が大きいとされています。
市販の絵の具のように、液状のインキと乾いたインキではどうしても色の見え方に差が出てしまいます。この差が少なくなるように、乾燥後の色の見え方を計算しながら、濃度を調整して印刷するのは、まさに印刷の職人芸!
普段の日常では分からない職人魂を感じてみるのもいかがでしょうか。