みなさん、こんにちは。ヒラメキ工房編集長のタナカトシキです。
ヒラメキ工房の編集長の傍ら、当社主催ウェビナーのプロジェクトリーダーも務めています!
※ウェビナーとはWEBとセミナーを掛け合わせた造語で、インターネットを利用してセミナーを行い、情報を発信するマーケティング手法です。当社もBtoBマーケティング施策の一つとして、セミナー施策を取り入れました。
初のセミナー開催から3年が経ち、セミナーコンテンツも増え、順調に集客を伸ばしていった矢先に、新型コロナウイルスの感染拡大により今年2月のセミナーを機に、リアルの場でのセミナー開催を無期延期せざるを得なくなってしまいました。
以前からウェビナー自体は知っていましたが、やはり営業活動としてのセミナーに関しては、リアルの場による熱量や参加者とのコミュニケーションを考えると、ウェビナーという選択肢はありませんでした。
しかし、そんなことも言っていられない状況になり、試行錯誤を重ね、2か月間の準備期間を経て4月よりウェビナーにすべて切り替えて、この4か月間で計9回ウェビナーを開催してきました。
今回はそのウェビナーについて、当社が開催した経験談も踏まえてメリットやデメリット、目指すべきゴールの設定の仕方などを詳しく解説していきたいと思います!
【目次】
1.最近のウェビナー人気について
2.自社主催セミナーの一連の動きをご紹介
3.ウェビナーを始めるにあたって必要なこと
4.ウェビナー開催に向けた役割分担
5.ウェビナー開催後の活動について
6.ウェビナーで得られた効果と今後の展開
最近のウェビナー人気について
テレビ会議やE-Learningなど、そもそも動画コンテンツによる情報発信や教育・研修などはすでに活用されていましたが、2020年に入り、5Gの取り組みも追い風になる中、今回の新型コロナウイルスの影響によりリアルの場での施策が打てなくなり、一気にオンライン化=動画活用が加速度的に進んでいきました。
それに合わせてウェビナー活用がBtoBの企業を中心にコロナ禍におけるマーケティング施策として注目されています。
そこには「ウェビナー」というキーワードの月間検索数にも如実に表れていて、GoogleTrendsで調べたところ、2020年1月と比較すると、2020年8月はなんと25倍以上の検索数に増加していました。
当社がウェビナーで使用している配信ツールは「Zoom」ですが、その「Zoom」を運営する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは2020年2~4月期の売上高が前年同期比2.7倍の3億2816万ドル(約360億円)だったと発表(出典:日本経済新聞)されているように、使用者が一気に増えていることが分かります。
また、企業の採用活動に目を向けると、こちらでも大きな転換期を迎えています。今まで採用活動でも主流だった、企業が一同に集結する合同説明会から、「オンライン説明会」へとシフトしつつあります。就活生も「地方に住んでいるため、オンラインのほうが交通費もかからず、参加しやすい。」や、「気軽に参加できるし、質問もしやすい。」などと7割以上がオンラインによる就活にメリットを感じているといったアンケート結果もありました。
一方、企業側もこれまでのように全国をまわる必要がなく、効率的に母集団形成をすることができるといったメリットもあり、オンラインを活用したオープンな採用活動が加速するとみられています。
自社主催セミナーの一連の動きをご紹介
さて、話を戻して、当社のウェビナーの取組みについて話していきます。
コロナ禍における営業活動について、多くの企業が活動自粛を経験、また第2波、第3波と影響が続いていく中、ウィズコロナの営業活動として、
・基本的には、必要な場合以外、お客様が会ってくれない。
・展示会など軒並み中止や延期で、新たなお客様に合える機会がない
・そもそも、飛込み訪問のように、人の時間を一方的に奪うことがいいことなのか?
といったことが起きています。これは一般論ではなく、私たちでも同じ状況に陥っています。
その中でもお客様から選ばれる企業になるためには、営業活動のそもそもを見直し、お客様から問い合わせや相談がくる仕掛けづくり=BtoBマーケティングが絶対的に必要なタイミングが今だと思います。
さらに、このような状況下でも上手くいっている企業の共通点は、『会員数』 と 『コンテンツ』にこだわり続けているところです。これは、できるだけ多くのお客さまに、そのお客さまにとって最も良いと思える情報を送り届けられるか、言い換えれば、届けられる相手の数と、その情報発信の質に注力するということです。
会員数とは、例えばウェビナーであれば参加者数だったり、サービスの登録ユーザー数であったり、これからの購入検討層であるリード数、SNSのフォロワー数など、事業体によって、その層や数はマチマチになります。
ただ、ここで間違えてはいけないのは、企業活動のゴールはあくまで、売上や利益のアップであり、先に述べた会員数を増やしたり、情報を届けること自体は、プロセスに過ぎないということを忘れないでください。
以上のポイントを踏まえて、私たちは、BtoBマーケティングの中でもウェビナーを重点施策にすることに当社は決めました。
ウェビナーを始めるにあたって必要なこと
ウェビナーを始めるにあたってまずやることは、ウェビナーの目的設定とコンテンツ設計です。
当社のウェビナーの目的は、BtoBマーケティング施策の1つという位置づけなので、①リード獲得と、②オファーにより商談につなげることに設定しました。
ここからはコンテンツの設計です。大きく3つのポイントを通じて設計していきます。
1つ目は、ターゲットを出来るだけ詳細に設定すること。
具体的な人物像を設定するので、これを 「ペルソナ」 といいます。ペルソナとは、商品やサービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデルのことで、端的にいえば「架空の顧客像」です。
年齢、性別、居住地、職業、生活パターン、休日の過ごし方、性格、服装、家族構成、趣味や流行への感度まで。一見ふざけているように思いますが、ペルソナの設定によってこの先決める施策が劇的に決定しやすくなっていきます。
2つ目は、ブランディングで、サービスの強みをしっかりと設定すること。
お客さまはそれを買うことで、何が起こるのか。お客さまの負担が軽減したり、ワクワクしたり、「顧客バリュー」のことですね。
3つ目は、お客さまに刺さる企画を考え出すこと。
「集客につながる理由」 「選ぶ理由」を考え出すことです。参加して欲しい人たちは何を知りたいのかという発想も大切になってきます。
この3つのポイントからウェビナーコンテンツを設計することで、具体的な課題を持った参加者から当社に相談してみたい=顧客化につながっていく導線が作れます。もちろん、最後に参加者限定の特典など魅力的なオファーを作るとその効果は倍増します。
ここで、当社の最近開催した『今から始める「ウィズコロナ時代」のデジタルマーケティング ウェビナー』の企画を説明したコンテンツの側面で少しだけ紐解いてみます。
【① ペルソナ】
社員200名のBtoB中堅企業。
広報宣伝部門に所属して3年目の28歳の女性担当者。
会社内では、コロナ禍新たな販売促進を求められており、課長からウェビナーなど積極的に参加して情報収集を求められている。
これまでも広告はいろいろと試しているが中々浸透しないのが悩み。
SNSプロモーションを展開しようと考えているが決め手なく2か月経過。
【② 強み】
クロスメディアプロモーションを野毛印刷1社発注で完結。
担当者の負荷軽減、本業に集中できるサービス提供が強み。
【③ 選ぶ理由】
クロスメディアプロモーションの実務実績が豊富。
実際に自社のプロモーションを手掛けているため、生の声を聞く事ができて、相談にのってもらいやすい。
少しでも参考になりましたでしょうか?ここが決まるとセミナー開催に向けてよりスムーズに動くことができます。
ウェビナー開催に向けた役割分担
ここからは、ウェビナー開催に向けて、事前準備からウェビナー当日、終了後に何を行うかを明確にして、役割分担する必要があります。
当社では年間の大枠のウェビナー開催スケジュールをもとに、次回ウェビナー開催までの具体的なタスク管理とツール制作担当、集客担当、顧客管理担当、指標管理担当、当日の撮影班、配信班、チャット班、司会などプロジェクトメンバー内での役割分担をして動いています。
セミナーを始めた当初は、属人的に動いていましたが、やはりそのようなやり方だと、忙しさを理由に準備が滞ったりしていたので、開催頻度を上げていく中でプロジェクトメンバーを増やしつつ、その辺りを整理していきました。プロジェクトなど組織的かつ継続的な活動としてウェビナーを実施していく場合は、タスク管理や役割分担は非常に重要なポイントです。
ウェビナー集客のテクニックについてもご紹介します。
当社のウェビナーの集客は、以下の手段を使用して集客しました。
・登録ユーザー約4千名に送付している月刊会報「ハマコミ」へのセミナーチラシ同封
・同じく登録ユーザーへのメルマガ
・オウンドメディアでの発信
・Peatixへの掲載&集客
・SNS(facebook)での発信
・SNS広告(facebood)
・営業訪問による紹介
です。
ウェビナーはリアルのセミナーのように事前に時間を確保する必要がないため、急遽参加することもできます。毎回最も集客が伸びるのが開催1~2日前です。そのような方に向けて効果的な集客施策が、facebook広告のリタゲや直前メルマガです。特にメルマガはMAを活用して、一度告知したメールに対してオープンやクリックが取れていて申し込みが無い方へ再度開催直前に送ることで、気になっていたけど予定が分からない、という方へのリマインドメールになり、集客につながります。
さて、いよいよウェビナー当日についてです。
前述したように、当社がウェビナーで使用している配信ツールは「Zoom」です。
ZoomであればPCについているインカメラで撮影して、PC内のスライドで紹介することも可能ですが、当社ではウェビナーの完成度を高めるために、Cスクエア横浜のスタジオをフル活用しています。
例えば、クロマキー合成でのニューススタジオ風での司会撮影、テロップやBGMの挿入、スイッチャーによるスムーズな画面切り替え、などです。ウェビナーはライトに参加する方が増える分、離脱させないために、コンテンツや時間配分などに加えて飽きさせない工夫が重要です。
ウェビナーの配信方式は、リアルタイムでセミナーの内容を配信する「ライブ配信」、録画したセミナーをユーザー側がいつでも見られるように配信する「オンデマンド配信」、そして録画したセミナーを日時指定して配信する「疑似ライブ配信」がありますが、当社ではライブ配信と疑似ライブ配信を組み合わせています。
ライブ配信は参加者とコミュニケーションをしながらインタラクティブに進めることができる一方、講師とのスケジュール調整や配信トラブルのリスクがあります。そのため、当社ではリアル感を出すために司会進行はライブ配信で、講師による講義は収録したものを配信するといったかたちをとっています。
講師の講義中もインタラクティブに進められるように、Zoomのチャット機能を活用しています。講義中の内容で質問があればいつでもチャットで受け付けていて、即時に回答するというスタイルです。
ゲスト講師にもウェビナーの時間はパネリストとして参加してもらい、参加者とのリアルタイムでのコミュニケーションができるように設計しています。
このあたりの配信の工夫もウェビナーを成功させるポイントです。
ウェビナー開催後の活動について
ウェビナー終了後の参加者へのフォローについても最後に紹介します。
リアルの場でのセミナーとウェビナーの大きな違いは、冒頭にも書いたように参加者の熱量が分からない点です。ウェビナーで参加者の中から見込みが高い方を探すための唯一の方法が、アンケートです。そのため、見込みの高い参加者を探し出すために綿密にアンケートを設計し、さらにアンケートを回答するモチベーションを高めさせる必要があります。
そこで当社では、アンケート回答した方にのみ、セミナーで使用したレジュメのダウンロードURLをお送りしています。
ちなみに、Googleフォームでアンケートを作成しています。
そのアンケート内容をもとに、見込度の高い参加者を抽出し、セミナー当日に電話かメールにてフォローをするようにしています。また、個別相談会をZoomによるWEB面談で実施しているため、ウェビナーでもスムーズに参加者へのフォローが実現できています。
また、見込度が低い方に対しても、定期的なメルマガ配信などで接点を持ち続けています。
1回のウェビナー参加で、明確な課題を持たれていて、ご提案~受注にまでつながるような方も中にはいらっしゃいますが、そのようなケースの方が稀で、やはり、1つの当社との接点をもつきっかけであり、然るべきタイミングで相談してみようと思ってもらえることが重要です。そのため、ウェビナーの目的・目標値設定の時に短いスパンで考えすぎないことをお勧めします。
ウェビナーで得られた効果と今後の展開
当社ではここ4か月間で計9回のウェビナーを開催してきました。
9回開催しての参加者総数はのべ633名です。平均70名でした。リアルの場でのセミナーの2~3倍の数です!これにはシンプルに驚きました。
さらにコストはセミナー会場費が掛からないので、1回あたり、およそ10分の1にまで抑えられています。
つまり、集客に関して言うと、費用対効果は20~30倍あったということが分かりました。
さらに、成果についてみていくと…。
ここでは具体的な数値はお伝えてきませんが、昨年比で2倍近い受注額を推移しています。
この数字には大きく2つ要因があると思っています。
1つは、セミナーも含めて継続していること。何度か当社のセミナーに参加していただいている中で、ウェビナーにも参加していただき、初めてご発注いただけたお客様もいらっしゃいました。そこには、返報性の法則やザイオンス効果といった心理学的な側面もあったのではないかと思います。
2つめは、コロナショックにより何をしていいか課題感を持ちながら参加されている方が多いということ。当社ではそのような迷っている方に対して事例を多数提示し、さらに概論ではなく、ウェビナーが終わったらすぐ行動ができるようなウェビナーコンテンツを心がけているため、相談しやすい相手だと認識されているのではないかと思います。
今後、このようなウェビナーは飽和状態になっていきます。その中でも価値ある情報が提供できているという認知を得られるように、ウェビナーコンテンツを作り続けていく必要があります。そのためには、その時その時のニーズに合ったテーマ選定や、そのテーマに合ったゲスト選定、さらに集客のための広告クリエイティブなど多岐にわたる施策を講じる必要があります。
そう考えると、やることが非常に多くかなり労力がかかりますが、最初のウェビナー目的を振り返り、BtoBマーケティングの重要施策であり、コロナ禍における貴重な顧客接点の場と捉え、注力していきたいと思います。
いかがだったでしょうか?これからウェビナーを始める方、今までウェビナーをやってきてもなかなか成果が出ない方にとっても参考になっていただけたら嬉しいです!もちろん、当社にてウェビナー企画から集客、ライブ配信の運営サポートなどもお受けしておりますので、そのようなご相談もどしどしいただけたら幸いです!