ダーマトグラフとは?印刷会社必需品の筆記用具

コラム

ダーマトグラフとは

「ダーマトグラフ(DERMATOGRAPH)」という筆記用具をご存じでしょうか?

ダーマトグラフとは、ワックス分の多い太めの芯と、紙巻き仕様の軸が特徴の色鉛筆です。鉛筆の先に出た紐をミシン目に沿って引き、軸に巻いた紙をクルクルほどいて芯を出すという、画期的な鉛筆です。
最近では使う機会が少なくなりましたが、印刷会社ではまだまだ必需品。「ダーマトグラフ」は三菱鉛筆の商品名で、一般的には「グリースペンシル」という呼び名もあります。

「Dermato」はギリシャ語で「皮膚」、「Gragh」は「書く、記録する」という意味があり、この二つを組み合わせたネーミングのようです。つまり「皮膚に書けるもの」という意味で、もともとは医者が手術の際に切開する部分を示す目的などで開発されました(現在文房具店等で販売されているのは皮膚用ではありません)。

三菱鉛筆のWebサイトを見ると、製造は1955(昭和30)年に開始され、最初は木の軸で「赤・青・黒・黄」の4色展開だったようですが、1958(昭和33)年頃に紙巻きに変更になったと記されています。現在は「茶・桃・橙・白・黄緑・緑・水・紫」が加わった、全12色のようです。

〈参考〉
「ダーマトグラフ|鉛筆・色鉛筆|三菱鉛筆株式会社」(https://www.mpuni.co.jp/products/pencils/color/dermatograph/7600_7610.html
「ダーマトグラフの語源|よくあるご質問|三菱鉛筆株式会社」(https://www.mpuni.co.jp/customer/pencil/qa_12.html

ダーマトグラフはいつから使われていた?

ここまでは一般的に得られる情報ですが、さらに詳しく調べてみると、木軸の「ダーマトグラフ」はさらに時代を遡り、なんと戦前からあったという記事を発見しました。
1939(昭和14)年の雑誌『科學ペン』に掲載された三菱鉛筆の前身である眞崎大和鉛筆株式会社の広告画像には、「科學者用の鉛筆 三菱ダーマトグラフ~硝子や皮膚に書ける鉛筆」なるヘッドコピーとともに、「獨逸品ドイツの輸入は絶えました 唯一國産品たる本品の御利用を!」というコピーが。
ここで初めて、もともとはドイツから輸入されていたという事実を目にしました。
木軸から紙巻きになった理由は、芯にワックス分が多いため芯と木との間につける接着剤が効かず、芯が抜け落ちてしまうという問題があったからのようです。

ダーマトグラフは印刷会社に欠かせない存在へ

ダーマトグラフの印刷会社での使用は幅広く、アイディアスケッチを描く際に使ったり、かつては原稿入稿時の指定に使ったりと、頻繁に使用されました。
そして現在、一番多く使われているのが校正紙へのチェックです。赤ペンや色鉛筆、赤マーカーといった筆記用具も使われますが、印刷された校正紙の上からでもしっかり書くことができるダーマトグラフは欠かせません。オフィス用品として販売される筆記用具が数多くある中で、目立たない存在ではありますが、印刷会社にとっては必須の筆記用具です。

三菱鉛筆株式会社様 ダーマトグラフ商品紹介ページは下記よりご確認いただけます。
http://www.mpuni.co.jp/products/pencils/color/dermatograph/7600_7610.html

 


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*実は間違って使っているかも?!間違いやすい校正記号について。
*「!」は「アマだれ」「?」は「ミミだれ」??印刷業界特有の記号の呼び方について。

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